はじめに
「親がデイサービスを嫌がって行ってくれない」
「デイサービスは大切だとわかっているけど、どう説得すればいいのか…」
介護家族からよく寄せられる悩みの一つが、デイサービス利用の拒否です。
本記事は、介護職歴20年以上の介護士が現場経験をもとに解説しています。デイサービスや特養など幅広い現場で積み重ねた経験から、家族や職員の方に役立つ情報をお届けします。
この記事では、なぜ嫌がるのか、その心理と、現場で実際に効果があった対処法を紹介します。
1.デイサービスを嫌がる理由とは?
「施設に行くのは恥ずかしい」 → 高齢者のプライド
「知らない人と過ごしたくない」 → 不安感・人見知り
「家族に迷惑をかけたくない」 → 自分の存在意義への不安
「体調に自信がない」 → 入浴や運動に対する抵抗
👉 まずは「嫌がる気持ちの背景」に寄り添うことが大切です。
2.対処法その1:ポジティブな目的を伝える
「リハビリを受けられるから安心だよ」
「同年代の人と楽しく過ごせるよ」
など、行く理由を“前向きな体験”として伝えると受け入れやすくなります。
3.対処法その2:最初は短時間・お試し利用から
いきなり週3回利用よりも、まずは 半日や1日体験利用から始めると安心感が得られます。
「とりあえず1回だけ行ってみよう」なら心理的ハードルが下がります。
👉どこのデイサービスも体験利用をしていますので気軽に利用してみましょう。
4.対処法その3:スタッフと顔合わせをする

事前に施設スタッフと軽く挨拶しておくと安心感が増します。
「知っている顔がいる」と思えると、初日もスムーズです。
👉「顔が見える関係」になっておくと参加率が全然違ってきます
5.対処法その4:家族が一緒に参加してみる
初回に家族が付き添い、昼食やレクリエーションを一緒に体験すると、利用者が「楽しかった」と思いやすいです。
👉午前中だけでも家族が一緒に付き添う。それだけでも安心感が全然違います
6.対処法その5:本人の好きなことを入り口にする
カラオケが好き → デイサービスのカラオケを案内
お風呂好き → 大きなお風呂でリラックスできると伝える
おしゃべり好き → 同世代の仲間がいると紹介

👉 「本人の好きなこと」をきっかけにすると、納得感が増します。
現場の声
Lさん(ケアマネジャー・経験18年)
「“行きたくない”と強く言われる方でも、一度行ってみると“意外と楽しかった”と感じることが多いです。最初の一歩をどう踏み出すかがポイントですね。」
Mさん(デイサービス相談員・経験10年)
「嫌がる背景には必ず理由があります。プライドや不安を理解したうえで、本人の好きな活動を紹介すると、前向きに変わるケースが多いです。」
まとめ
デイサービスを嫌がるのは自然な感情
対処法は「ポジティブな目的」「お試し利用」「顔合わせ」「家族同行」「好きなことを入り口に」
“安心感”と“楽しみ”をどう伝えるかがカギ
👉 家族の工夫とスタッフの協力で、デイサービスは「行きたくない場所」から「楽しみな場所」へ変わります。
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