福祉・医療・介護・看護の違いとつながり

基礎知識・制度解説

はじめに

「福祉」「医療」「介護」「看護」という言葉は、よく耳にしますが、似ているようでそれぞれ役割や対象は異なります。
一方で、実際の現場では密接につながり合っており、切り離せない関係でもあります。
この記事では、それぞれの違いを整理しつつ、どう連携しているのかをわかりやすく解説します。

福祉とは?

対象:
すべての人の生活を支える仕組み
目的:
困難を抱える人が「人としての尊厳を保ちながら暮らすこと」
例:
障害福祉サービス、生活保護、子育て支援、高齢者福祉 など

👉 福祉は「生活を支えるための土台」であり、介護や医療もその一部に含まれます。

医療とは?

対象:
病気やケガを抱える人
目的:
診断・治療・リハビリを通じて「健康を回復・維持」すること
例:
病院・クリニックでの診療、手術、薬の処方、リハビリテーション など

👉 医療は「命と健康を守ること」に直結しており、専門資格(医師・看護師・薬剤師など)が中心となります。

介護とは?

対象:
主に高齢者や障害を持つ人
目的:
「できる限り自立した生活を続けられるように」支援すること
例:
食事・入浴・排泄の介助、生活リハビリ、レクリエーション活動、送迎 など

👉 介護は「生活の手助け」を軸にしつつ、本人の意欲や生きがいを引き出す役割も大きいです。

看護とは?

対象:
病気や障害を持つ人、医療的なケアが必要な人
目的:
医師の診療をサポートしながら、療養生活を支えること
例:
点滴や投薬の管理、体調観察、終末期ケア、在宅看護 など

👉 看護は「医療」と「生活」の中間に位置しており、患者や家族に寄り添う姿勢が求められます。

4つの違いを整理すると…

分野主な対象目的現場の例
福祉生活に困難を抱える人全般生活を支える高齢者福祉・障害福祉
医療病気・ケガを抱える人健康の回復・維持病院・診療所
介護高齢者・障害者自立生活の支援デイサービス・施設介護
看護病気や障害を持つ人療養生活の支援病棟・訪問看護

どうつながっているのか?

実際の現場では、これらの分野は明確に分かれているわけではなく、連携して利用者を支えることが基本です。

例1 高齢者のデイサービス利用
医療:
主治医の診断や薬の処方
看護:
デイサービスでのバイタルチェック、体調変化の観察
介護:
食事・入浴・レクリエーション支援
福祉:
介護保険制度を利用し、通所サービスを受ける

例2 在宅でのターミナルケア
医療:
訪問診療での治療・処方
看護:
訪問看護での体調管理、家族への指導
介護:
在宅介護サービスによる生活支援
福祉:
地域包括支援センターや相談窓口が家族をサポート

👉 このように、利用者を中心に 医療・看護・介護・福祉が一体となって動くことで「安心して暮らす仕組み」が成り立っています。

まとめ

福祉=生活の基盤を支える
医療=命と健康を守る
介護=生活を支援し自立を助ける
看護=医療と生活の橋渡し

それぞれの分野は異なる役割を持ちながらも、現場では密接につながり合っています。
福祉と医療のおしごと研究所では、こうした仕組みを「働く人の視点」「利用者や家族の視点」の両方からわかりやすく発信していきます。

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