はじめに
「もう介護の仕事を辞めたい」
これは現場で働く多くの介護士が一度は抱く気持ちです。体力的にも精神的にも大変で、人間関係や給料の悩みも尽きません。
しかし、辞めるかどうかを決める前に「何が原因で辞めたいのか」「改善できることはあるのか」を整理してみることが大切です。
この記事では、介護職歴20年以上の介護士がリアルな体験談を交えながら、辞めたいと思ったときに考えるべき視点を解説します。
1.なぜ「辞めたい」と思うのか?よくある理由

介護職を辞めたいと感じる背景には共通点があります。
人間関係の悩み
上司や同僚とのトラブル、価値観の違い。小さな不満が積もって辞めたくなるケースが多いです。
体力的な負担
夜勤や入浴介助、移乗介助など、腰や体への負担が大きい。
精神的なストレス
利用者や家族からのクレーム対応、看取りに立ち会うことへの心理的負担。
給料・待遇への不満
「仕事の割に収入が低い」と感じやすい業界。
キャリアの将来像が見えない
続けていても成長や昇給のイメージが持てず、不安になる。
2.現場経験者のリアルな声
Hさん(介護職15年目)
「夜勤続きで体調を崩し、辞めたいと思ったことがあります。でも、配置転換を相談して日勤中心に変えてもらったら気持ちが楽になりました。」
Mさん(介護職8年目)
「人間関係が本当にしんどくて、退職を考えました。結局、職場を変えることで一気に改善。介護そのものを嫌いにならずに済みました。」
👉 どの声も「辞めたい=介護職を諦める」ではなく、「職場や働き方を見直す」で解決しています。
3.辞める前に考えてほしいこと

①原因を整理する
「人間関係」「体力面」「収入」など、自分が辞めたい理由を紙に書き出してみましょう。
👉 可視化することで、「これは転職すれば解決できる」「これは資格を取れば改善する」と判断しやすくなります。
②環境を変えてみる
夜勤が多すぎる → 日勤中心のデイサービスへ
身体介助がきつい → 訪問介護や相談業務へ
人間関係が合わない → 転職でリセット
👉 介護職は施設種別が多いので、自分に合う環境を探しやすい業界です。
③キャリアアップを視野に入れる
介護福祉士の資格を取る
ケアマネジャーや相談員を目指す
福祉用具専門相談員、地域包括支援センターなど新しいフィールドへ
👉 「辞めたい」を「次のステップへのきっかけ」に変えるのも有効です。
④多職種への転職を考えてみる
「介護を辞めたい」と思ったとき、選択肢は介護職を完全に離れるだけではありません。
実は、介護の経験は 他の業界でも高く評価されるスキル です。
例えば…
飲食店やホテルでは「高齢者や認知症のお客様への対応力」が強みになります。
観光業では「シニアツアーの安心対応」が求められます。
行政や教育現場でも「高齢者理解の知識」が役立ちます。
👉 「介護しかできない」ではなく、「介護を経験しているからこそできること」があるのです。
詳しくはこちらの記事で解説しています
➡ 介護経験は他分野での強みになる!これからの時代に求められるスキル
④本当に辞める決断をするとき
心身の健康を大きく害している
何度環境を変えても改善されない
家庭や生活に支障をきたしている
👉 この場合は無理をせず、「辞める」選択も正解です。
退職を決めた後は、次の働き方を前向きに考えることが重要です。
4.まとめ
「辞めたい」と思う原因を整理しよう
多くの悩みは「職場環境を変える」「働き方を工夫する」で改善できる
辞める=介護職を諦める、ではなく「新しいキャリアへの転機」にできる
心身を壊す前に、自分を守る選択をすることが大切
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