はじめに
介護職は「人手不足の代表例」と言われるほど離職率が高い業界です。
厚生労働省の調査では、介護職員の離職率は他産業と比べても高めに推移しており、その理由は「給与」「人間関係」「身体的負担」など多岐にわたります。
この記事では、20年以上現場で働いてきた介護士の視点から、離職の背景や改善に向けた動きを解説します。
1.介護職の離職率の現状

介護職全体の離職率は毎年13〜15%前後(他産業の平均は約10%)。
特に「入浴介助」「夜勤」など身体的負担の大きい部署で離職が目立つ。
新人の1〜3年以内の離職も多く、定着が課題。
新人時代の悩みについては、詳しくはこちらの記事を → 『介護現場での新人がつまずきやすいポイントと解決法』
2.離職理由のトップ3
給与や待遇面への不満
→ 他職種と比べて低めの給与水準。
人間関係のストレス
→ 上司・同僚との関係悪化やコミュニケーション不足。
→ 詳しくはこの記事を → 『高齢者とのコミュニケーションのコツ5選』
身体的・精神的な負担
→ 夜勤・送迎・入浴介助などが体力的に厳しい。

関連記事はこちら → 『夜勤・送迎・入浴介助…介護現場で大変なこととその工夫』
3.離職の背景にある業界特有の問題
慢性的な人手不足
→ 負担が一人に集中する。
制度と現場の乖離
→ ケアの質より「記録・書類」に追われやすい。
キャリアパスの不透明さ
→ 将来の働き方を描きにくい。
キャリアの選択肢については、詳しくはこちら → 『介護職を辞めたいと思ったときに考えるべきこと』
介護経験を他分野で活かす視点についてはこの記事 → 『介護経験は他分野での強みになる!〜これからの時代に求められるスキル〜』
4.改善に向けた取り組み
処遇改善加算など給与引き上げ
研修制度の充実(スキルアップがキャリア継続につながる)
ICT導入による負担軽減(記録の電子化、見守りセンサー)
多職種連携で孤立感を減らす
5.現場の声
30代男性・元介護士
「夜勤続きで体調を崩し、転職しました。でも待遇改善が進んでいれば続けたかったと思います。」
50代女性・ベテラン介護士
「人間関係が良い職場に出会ってからは10年以上続いています。人とのつながり次第で全く違う仕事になります。」
まとめ
介護職の離職率は他産業より高く、その背景には「待遇・人間関係・負担」がある。
改善に向けた動きはあるが、現場の定着率向上はまだ課題。
大切なのは「現場での声を拾い、働きやすい環境を整えること」。



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