介護現場での新人がつまずきやすいポイントと解決法

仕事のリアル・キャリア

はじめに

介護の仕事は未経験からでも始めやすく、やりがいのある仕事です。
しかし実際に現場に入ってみると、「思っていた以上に大変」「どう対応したらいいのかわからない」と悩む新人職員が少なくありません。

この記事は、介護職歴20年以上の現役介護士が、新人がつまずきやすいポイントと解決法を現場経験から解説します。
これから介護職を目指す方や、すでに働き始めた新人さんに役立つヒントになれば幸いです。

1.利用者とのコミュニケーションに戸惑う

つまずきポイント
何を話せばいいかわからない
利用者が会話に反応してくれない
認知症の方とのやり取りで困惑する

解決法
まずは挨拶から始める:
「おはようございます」「今日はいい天気ですね」などシンプルな言葉でOK。
傾聴を意識する:
話を遮らず、うなずきや共感の言葉を大切に。
思い出話を引き出す:
「昔はどんな仕事をされていましたか?」など、長期記憶を刺激する質問が効果的。
👉 会話の上手さよりも「寄り添う姿勢」が信頼につながります。

2.身体介助での戸惑い

つまずきポイント
入浴や排泄介助で手順がわからない
利用者を傷つけてしまわないか不安
自分の体も腰痛や疲労で限界を感じる

解決法
必ず先輩と一緒に実施し、正しい方法を学ぶ
福祉用具を活用する:スライディングシート、リフト、滑り止めマットなど
体の使い方を意識:腰ではなく膝を曲げる、力任せに動かさない
👉 「安全第一・無理をしない」が新人の基本です。

3.夜勤での不安つまずきポイント

つまづきポイント
利用者の急変対応が怖い
睡眠リズムが崩れて体調を崩す
少人数勤務のため孤独感を感じる

解決法
夜勤前は十分な休養をとる
チェックリストで巡回内容を残す(次の勤務者に情報をつなぐ)
分からないことは必ず電話で上司や先輩に確認する
👉 「一人で抱え込まない」ことが最大のポイントです。

4.記録業務が追いつかない

つまずきポイント
どの情報を書けばいいのかわからない
業務に追われて記録が後回しになる
言葉の選び方に悩む

解決法
事実を簡潔に書く:「◯時 食事8割摂取」「◯時 トイレ誘導で失敗なし」など
感情や主観は避ける:「嫌そうだった」→「表情をしかめていた」
システムを活用:タブレットや音声入力で効率化
👉 記録は「他の職員が読んでわかること」が最も大事です。

5.職場の人間関係に悩む

つまずきポイント
指導者との相性が合わない
同僚の忙しさに声をかけづらい
利用者への対応で意見が食い違う

解決法
まずは「報告・連絡・相談」を意識
感謝の言葉を忘れない:「手伝ってくださってありがとうございます」
完璧を目指さず学ぶ姿勢を示す:「教えていただけますか?」と素直に聞くことが信頼につながる
👉 人間関係は“技術”よりも早く壁になることが多いので、謙虚さと誠実さがカギです。

6.利用者の死に向き合う難しさ

つまずきポイント
利用者が亡くなったときに大きなショックを受ける
自分の感情をどう整理していいかわからない

解決法
自然な感情として受け止める:
悲しみを無理に抑える必要はない

職場で共有する:
仲間と気持ちを話し合うことで整理できる
「その人らしい生活を支えた」誇りを大切にする

👉 新人が最も揺さぶられる経験の一つですが、支え合いながら乗り越えていくことができます。

現場の声

Pさん(介護福祉士・現場歴23年)
「最初は“自分にできるのか”と不安ばかりでした。でも、先輩に支えてもらいながら続けるうちに、自分なりのやり方が見えてきました。」

Qさん(特養勤務・経験15年)
「記録は最初わかりにくいけれど、慣れれば“伝える力”になります。新人時代に丁寧に書く癖をつけたのが今も役立っています。」

まとめ

新人がつまずきやすいのは「コミュニケーション」「身体介助」「夜勤」「記録」「人間関係」「死との向き合い」
解決法は 経験者から学び、無理せず、チームで支え合うこと
失敗や不安は「成長のきっかけ」になり、長く続けるほどやりがいに変わる

👉 「不安を一人で抱えない」ことが、新人が最初に覚えるべき大切な姿勢です。

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