ICTとテクノロジーで変わる介護現場の未来〜介護職歴20年以上の介護士が解説します〜

介護現場の変革と未来

はじめに

介護の現場は人手不足や業務負担が深刻ですが、近年はICT(情報通信技術)やロボット技術の導入が進み、現場の環境が少しずつ変わり始めています。
この記事では、20年以上介護現場を見てきた介護士の視点で、テクノロジーが介護現場にもたらす変化とその可能性を解説します。

1.介護現場で導入が進むICT機器の例

    介護記録の電子化(タブレット・クラウド)
     → 記録の時間短縮、情報共有のスピードアップ
    👉 紙記録から電子化に切り替わるだけで、1日数十分〜1時間の削減になるケースもあります。現場で利用者と向き合う時間が増えるのは大きなメリットです。

    見守りセンサー・カメラ
     → 夜間の転倒防止や徘徊検知に役立ち、スタッフの負担軽減
    👉 見守り機器は“人を減らすため”ではなく、“安心を増やすため”のものです。導入後は夜勤スタッフの心理的負担が減る声が多いです。

    服薬管理システム
     → 薬の飲み忘れや重複投与を防止
    👉 服薬ミスは介護現場で頻繁に起きるヒヤリ・ハットのひとつ。システム導入はスタッフの安心感にも直結します。

    介護ロボット(移乗・歩行補助)
     → 腰への負担軽減、介助の安全性向上
    👉 介護士は“人力”だけに頼らないほうが結果的に長く働けます。ロボットはスタッフの腰痛対策にも効果的です。

    オンライン面会・オンライン診療
     → コロナ禍以降、家族や医師との連携がスムーズに
    👉 ICTは距離の壁をなくし、家族や医師との連絡を“待たせない”時代を作りました

    2.ICT導入のメリット

      記録時間の短縮 → 利用者と向き合う時間が増える
      スタッフの身体的・精神的負担の軽減
      利用者の安全性向上(転倒・誤薬防止)
      家族や医療機関との連携強化

      👉 テクノロジー導入の目的は“人を減らす”ではなく“人の時間と安心を増やす”こと。
      詳しくは現場の工夫について → 『夜勤・送迎・入浴介助…介護現場で大変なこととその工夫』

      3.ICT導入で見えてきた課題

        初期費用が高く、中小規模の事業所では導入が難しい
        デジタル機器に不慣れなスタッフの教育が必要
        プライバシーやセキュリティ対策が不可欠

        👉 機器の導入はゴールではなくスタートです。現場スタッフが安心して使える教育が鍵。
        詳しくは → 『介護現場での新人がつまずきやすいポイントと解決法』

        4.今後期待されるテクノロジー

          AIによるケアプラン作成支援
           → データを活用して最適なケアプランを提案
          👉 AIは“介護計画を立てる相棒”になりつつあります。スタッフが利用者に集中できる時間を増やせる可能性があります。

          自動運転送迎車両
           → スタッフの送迎負担軽減

          ウェアラブル端末での健康モニタリング
           → バイタルを常時測定し、異常を早期発見

          多言語翻訳機能の進化
           → 外国人介護士との連携をさらに円滑に

          👉 外国人スタッフの受け入れは今後も増加します。翻訳機能はチームワークを支える重要なツールです。
          詳しくは → 『外国人介護人材の現状と受け入れ課題』

          5.現場の声

            50代・介護士
            「タブレット記録に変わってから残業が減りました。最初は使い方に戸惑いましたが慣れるととても便利です。」

            40代・施設長
            「見守りセンサーのおかげで夜間のスタッフ配置を工夫でき、人員不足の負担が減りました。」

            まとめ

            ICTとテクノロジーは介護現場の負担軽減・安全性向上・業務効率化に貢献

            導入には費用や教育などの課題もあるが、未来の介護には不可欠

            “人とテクノロジーが協力し合う”ことが介護の質を高めるカギ

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