はじめに
介護職のキャリアアップを目指す方にとって、介護福祉士国家試験は大きな目標の一つです。
この記事は、介護職歴20年以上の現役介護士が、試験の概要と合格に向けた学習のコツを現場経験も交えて解説します。
「未経験から始めて資格を取りたい」方も、「次のステップに挑戦したい」方も、ぜひ参考にしてください。
1.介護福祉士国家試験とは?

介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格です。
取得することで、利用者や家族からの信頼が高まり、転職や昇給、キャリアアップに直結します。
試験実施機関
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
受験資格
介護福祉士国家試験の受験資格は大きく2つのルートに分かれます。
実務経験ルート
介護の現場で 3年以上・540日以上 の実務経験がある人。
加えて 実務者研修を修了していることが必要です。
養成施設ルート
福祉系の専門学校や大学など、厚生労働省が指定する 養成施設を卒業した人。
👉 ほとんどの現場介護士は「実務経験ルート」で受験します。
試験科目
11科目群(人間と社会・介護・医療・福祉制度など幅広い分野)
試験日
毎年1月(筆記試験)、実技は廃止され現在は筆記のみ
2.合格率はどれくらい?
直近数年の合格率は 70%前後。
養成施設出身者は比較的高い合格率
実務経験ルートの社会人受験者は忙しさとの両立が課題
👉 「合格率70%」と聞くと簡単に思えますが、独学で臨むと難しいのも現実です。
3.学習の進め方と合格のコツ

1.学習スケジュールを立てる
半年前から少しずつ勉強を開始
1日30分〜1時間でも「継続」が大事
模試や過去問を早めに取り入れる
2.過去問を徹底的に解く
過去3〜5年分を繰り返し解く
間違えた問題をノートにまとめる
出題傾向をつかむことで効率的に学習できる
3.苦手分野を捨てない
「医学的知識が苦手だから…」と避けると合格が遠のく
全科目で6割以上取れれば合格なので、苦手分野は最低限の理解を目指す
4.模擬試験で本番を意識する
時間配分の練習
本番の緊張感を体験できる
弱点を洗い出せる

5.働きながら学習する工夫
通勤時間に音声教材を聞く
夜勤の合間に短時間勉強
週末にまとめて復習
👉 忙しい介護職だからこそ、「隙間時間活用」が合否を分けます。
4.現場経験者が語る合格のヒント
Rさん(介護福祉士・現場歴15年)
「私は独学で挑戦しましたが、過去問を何度も解くことが合格の決め手でした。現場での経験があると“実際のケースと結びつけながら”覚えられます。」
Sさん(施設職員・経験10年)
「通信講座を利用しました。忙しい中でも、教材が届くと“やらなきゃ”という気持ちになれるので助かりました。」
5.合格後に広がるキャリア
職場での昇給・昇格
ケアマネジャーへのステップアップ(受験資格に必要)
施設の教育係や新人指導役としての役割
転職時の優遇(求人の条件に「介護福祉士必須」とあるケースも多数)
👉 資格は「ゴール」ではなく、次のキャリアを切り開く スタートライン です。
まとめ
介護福祉士は唯一の介護分野の国家資格で、キャリアアップの鍵になる
合格率は70%前後だが、学習計画と過去問演習が合格のカギ
働きながらでも「隙間時間活用」で合格は十分可能
合格後は昇給・ケアマネ挑戦・教育係などキャリアが広がる
👉 「現場で学んだ力を形にする」ことが介護福祉士資格の大きな意義です。
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